像化ー雨の行方ー/IMAGES-Whereabouts of the rain-              gallery21yo-j(tokyo)

像化—雨の行方−
晴天の空が、急に曇り始め、突然、ザーッと雨が降る。
たまたまそれを軒先で雨宿りしながら眺めていた。どのくらいの時間が過ぎたかはわからないが、大して眺めていたわけではない。その雨が止んだ瞬間、雲が晴れ、太陽がまた顔を出した。軒の雨樋からは雨水が流れ、窪んだところには水たまりができ、土や木々は水気を吸い、艶やかに色深くなり、地表からは蒸気が立ち上り始めた。大きなサイクルと言ってしまえばそうではあるが、その雨(水)の廻り廻る間に様々な事物を孕む時間は、現代の人の営みも孕んでいるのだと思う。
川にある滝の上に建てられた「落水荘」を建築したフランクロイドライトが「家は丘の一部になるべきだ」と話したように、人の営みは自然の大きな循環の中にあるものと考える。
今回の個展では、空から降ってきた雨が、地表にある様々なモノに触れた時、場所や形、方向や現象、そして呼び名を変え、またいつの日か雨となることを、私が彫刻で表すとしたらどのようなものが生み出されるだろうかと考えたことが、一つの創造の起点となっている。
雨と水の関係性や自然現象と人間の営みをイメージした人体像やレリーフ作品など、雨の行方をテーマとし、像化した新作を発表する予定。
2019年5月 藤原彩人


VASE-空を抱える像もしくは器-                                                               [solo show in hijisai2018,mashiko(tochigi),2018]

GESTURE  [solo show at gallery21yo+j,tokyo,2017]

像と容器-Human image and Vassel-                                       2016 solo show [gallery SEIHO in tokyo]